技術にっき

気になる技術について呟いてます

Bluetooth Low Energy (Bluetooth LE) の話

最近、世界中で新型コロナウイルス(COVID-19)が問題となっています。
今回は、この問題に対する AppleGoogle の取り組みと
活用されている技術 Bluetooth Low Energy についてお話します。


新型コロナウイルスは飛沫や接触により感染が広がる可能性があるといわれています。
また、感染に自覚がないまま他者と接すると、さらなる感染を招く可能性があります。

そんな中、 AppleGoogle が "感染者と今まで接触したことがあるかどうか" がわかる
システムを共同で開発していると発表しました。


Since COVID-19 can be transmitted through close proximity to affected individuals, public health officials have identified contact tracing as a valuable tool to help contain its spread.
A number of leading public health authorities, universities, and NGOs around the world have been doing important work to develop opt-in contact tracing technology.
To further this cause, Apple and Google will be launching a comprehensive solution that includes application programming interfaces (APIs) and operating system-level technology to assist in enabling contact tracing.

引用:Apple and Google partner on COVID-19 contact tracing technology
 Apple Newsroom
 Google Company Announcements


この発表では、ユーザーのプライバシーに配慮しながら追跡を可能とする、
Bluetooth Low Energy (以下 Bluetooth LE) を活用したシステムを実装する
といわれています。


Bluetoothという言葉は耳にすることが多いですが、Bluetooth LE は馴染みがないかもしれません。
今回は BluetoothBluetooth LE について、さらに Bluetooth LE の適用について簡単にお話します。


Bluetooth とは

Bluetooth は 2.4 GHz 帯の無線周波数を利用した近距離無線通信規格です。
利用するための免許が不要な2.4 GHz 帯を利用していることから、手軽に利用できます。
例えば、無線イヤホンとスマートフォン、PCと無線マウス等の接続をワイヤレスに Bluetooth で行うことができます。


Bluetooth LE とは

Bluetooth LE は Low Energy と名前につくように、低消費電力での利用を目的として
作られた新しい規格です。(Bluetooth 4.x, 5)
従来のBluetoothBluetooth ~3.0) とは互換性がありません。
Bluetooth と比較した際の Bluetooth LE の特徴は次の4つです。

  ① 消費電力が少ない
  ② 同時接続デバイス数が多い(仕様上無限)
  ③ 電波到達距離が長い
  ④ 転送速度が遅い


Bluetooth LE の適用

Bluetooth LE の利用用途の一つに Beacon があります。
Beacon は、次のように位置を測定することができるほか、発信器から情報を受け取ることができます。


基本的には、対象となる発信器からの信号を受信することにより距離や位置を測定する技術であるが、発信器からの識別情報も取得できること、Bluetooth Low Energy (BLE) による省電力化と低コスト化が可能になったことから、近接通知機能としての用途が注目されている。

引用:ビーコン - Wikipedia
 Wikipedia


冒頭で紹介した AppleGoogle による追跡システムは、この Beacon を使っています。
GPS の様に位置情報を取得することはせずに、識別情報をもとにユーザー間の接触情報のみを追跡することで プライバシーの保護を実現しているそうです。
 参考:Contact Tracing - Bluetooth Specification ( Apple | Google )


Beaconはこの他にも、位置情報に基づくLINEの通知機能への応用や、
店舗の入退店時のお得情報提供に利用されています。

また製造業における事例では、作業指示書の位置情報をビーコンで得ることで工場の進捗や工数を正確に管理し、業務改善をする事例がありました。
 参考:地場の金属加工会社がIoTを導入して生まれた効果は「30%以上の利益増」 ( ITmedia )


このように、Beacon は 様々な場所で活用されています。
大量の情報がつながる IoT を実現するうえで、重要な情報収集手段の一つといえます。


最後に

今回は、Bluetooth LE をご紹介しました。
また、位置測位に Bluetooth LE を活用した Beacon についてお話しました 。
GPSと比べて遮蔽物のある環境での測位に強い Beacon 、そして Bluetooth LE
IoT社会の実現のためには欠かせない技術といえるでしょう。




※当ブログのコンテンツ・情報につきまして、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、
 誤情報が入り込んだり、情報が古くなっていることもございます。
 当ブログに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。