技術にっき

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エッジコンピューティング備忘録

最近こんなプレスリリースを見つけました。

ディープラーニングの画像解析を小型エッジコンピュータで実現する Vieurekaカメラの新機種 VRK-C301を提供開始」
Panasonic プレスリリース

この記事ではカメラ内臓のCPUによるAIによる画像解析を行い、その解析結果をクラウドへ送ることでエッジコンピューティングを実現するサービスについて紹介されています。
カメラで行われる画像解析は、人物属性の推定や動作検出、製造ラインでの不良品検出などに活用されるようです。

画像解析自体は珍しくありませんが、このサービスの特徴はカメラ側で画像処理を行っていることです。
このように、クラウドのデータセンターでデータ処理するのではなく、ユーザーや端末の近くで処理する技法をエッジコンピューティングといいます。


では、エッジコンピューティングだと何が良いのでしょうか?
今回はエッジコンピューティングの特徴と今後についてお話いたします。


エッジコンピューティングとは

エッジコンピューティングとはクラウドコンピューティングと比較して、よりユーザー側に近い位置でデータ処理を行う方法のことをいいます。
ここでのエッジとは、例えばユーザーが利用しているモバイル端末や、場所的に近い位置にあるサーバーなどが挙げられます。

エッジコンピューティングには、大別して4つのメリット2つのデメリットがあります。


エッジコンピューティングのメリット

エッジコンピューティングには次のメリットがあります。

  ① 通信量低減による通信コストの削減
  ② 負荷分散及びトラフィックの混雑解消
  ③ 低遅延処理
  ④ エッジ処理による機密情報保護

エッジコンピューティングのデメリット

エッジコンピューティングのデメリットは次の通りです。

  ① 導入・運用コストの高さ
  ② エッジ処理後のデータ復元性

エッジコンピューティングの今後

上記の特徴から、エッジコンピューティングは大量のデータが扱われる映像処理工場データ処理への活用に期待されています。
今後はデメリットである導入・運用コストの高さを改善するために、オンライン上でエッジを管理できるプラットフォームが重要になっていくと私は考えています。

プラットフォームには、冒頭で紹介した Vieureka PF(Panasonic や RaspberryPi に特化した Actcast(Idein) などがあり、今後も増えていくことが予想されます。


最後に

今回は、エッジコンピューティングについて紹介しました。
クラウドの欠点である通信距離に起因する反応速度の遅さ大量データ通信によるコストの高さを改善できるエッジコンピューティングは、 より大量のデータを扱うことになるIoT社会には欠かせない技術です。
今後はプラットフォームの充実によるエッジコンピューティング技術の進展、
さらには発展したIoT社会の実現に期待しています。




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